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斉藤太一です
第22章 赤ちゃん

「太一さん」


「ん?」


ベッドに座って
本を読んでいると
隣で寝そべるかすみが
僕に声をかけた


「あのね…」


ちょっと
歯切れの悪いかすみが
気になって
僕は本を閉じてかすみの
柔らかな髪に触れた


「どうしたの?」


「うん…」


かすみを
抱きしめるように
僕も寝そべり
かすみの頬に手を添えると

かすみが
僕にサインを出した


サインというのは
かすみが
僕に抱きつく時
パジャマの中に手を入れて
背中を直接触れるという…

サイン。


甘い時を
過ごしたい時に
かすみが出すサインなんだ。


そういうことか


僕はそう思って
眼鏡を外し
かすみに優しくキスをすると

かすみが
僕の耳元で
小さな声で囁いた



「今日つけなかったら…
赤ちゃんできるの」
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