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斉藤太一です
第22章 赤ちゃん

本当のことだった。


でも
もうひとつ
かすみには
言わなかった理由が
ある



この先

僕がしずくにとって
どんな父親になれるのか
分からないけど

もしも
しずくが
僕のことを
慕い続けてくれたとして

しずくが・・
しずくだけが
僕と血がつながっていないと
分かった時に


どんな
気持ちになるだろうか


そんなことを
考えただけで
僕は
何度も目頭が
熱くなったんだ


辛い時間が
あったとしても
しずくは
乗り越えられる壁かもしれない


でも


僕に
その自信がなかった


ごめんね
しずく


ごめん
かすみ




どこまでも
弱くて
頼りない僕で


本当にごめんね
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