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斉藤太一です
第23章 誕生日
そして
やっと電気がついて
部屋が明るくなった
「ねぇねぇ
おとーさん、おどろいた?」
しずくが
僕を見上げて
聞いてきた
そうか
驚かせるために
しずくは
居ないふりをしてたんだ
「う、うん
すごく
おどろいたよ」
僕は
かがんで
しずくと目線を合わせ
眼尻を下げると
しずくは
両手を口元にあてて
クスクスと笑った
「ん?」
「だって(笑)
おとーさん
泣いてるんだも~ん」
あ
また
やってしまった
でも
仕方ないじゃないか
こんな
誕生日は
10年ぶりくらいなんだから