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感じさせて その後
第4章 バレンタイン
けど
うさちゃんは
風邪ひいてもうてて
さっき帰った時も
チョコのこと
なんも言うてなかって…
仕方ないけど
俺はちょっと
がっかりしていた
ポケットには
職場のおばちゃんからもらった
チョコがひとつ。
うさちゃんの
チョコ
欲しかってんけどな……
アイスと弁当と
おかゆを買ってアパートに戻り
俺はうさちゃんの隣に座った
「アイスとおかゆどっちがえぇ?」
「アイス」
「ほな、俺もアイス」
「ごめんね?」
「えぇんや」
ほんまは
腹ペコやけどな。
俺もアイスって言うたけど
俺はアイス食べんと
うさちゃんの
可愛らしい口元に
スプーンでアイスを運んでやり
まるでパパになったような気分で
うさちゃんの世話をやいた
「なぁ、うさちゃん」
「ん?」
「赤ちゃんおったら
こんな風に世話したりするんよなぁ…」
「……そうね」
「可愛らしいやろな……」
「……うん」
「あぁ……」
「ん?」
「赤ちゃん産まれる前に
うさちゃんって呼ぶん
辞めんとあかんなぁ(苦笑)」
「クスッ…そうね」
「まだ、えぇって思うてたけど
なんや、急に子供欲しなった」
「どうしたの?」
「俺も分からへんけど」