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Deep Emotion
第16章 知らないままの方が良かった。
彼の優しい声は安心する。

安心するから、彼がいる時の穏やかな雰囲気は嫌いじゃなかった。

それが始まりだとも気づかずに。

初めてのキスの後、彼の態度がいつもと変わらなくて悔しかった。なんだかドキドキして落ち着かないのは、自分だけなのかと。

婚約者役を頼まれた時に、好きな子に頼みたいって言われて、顔が真っ赤になった。彼が当たり前のように私を「好きな子」って言うからだ。

恥ずかしくて、でも嬉しかった。
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