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Deep Emotion
第18章 貴方が、好きです。



寒さが一層厳しくなる頃、陽くんは就活と大学生活で忙しくなり、私はハウスキーパーとして、生活面をサポートしていた。



季節が巡り、春。

陽くんは就活が本格化し、スーツを着ている日が増えた。

スーツだと後ろ姿が門倉さんに似ている。

私も大概未練がましいが、好きならそう思うのも仕方ないと開き直る。

スーツ似合うね、と言うと、陽くんは照れくさそうに笑った。

「好きになった?」

そうおどけてみせるのは、彼なりの気遣いだ。

私と、ぎくしゃくした関係にならないために。

陽くんはいい人だと思う。

門倉さんがいなくなっても私がハウスキーパーを続けていられるのは、陽くんが続けていいと言ってくれたから。

私が陽くんの気持ちを受け取れなかった後も続けていていいと言うから、こうしてまだハウスキーパーでいられる。

続けていられることで、ほんのちょっとのつながりが残る。

夕食の買い出しをしながら、そんなことを考えていた。
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