この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Deep Emotion
第8章 春の夜道
「声、掛けてくれてよかったのに」
「デート中みたいだったから、声かけたらお邪魔かなって思ったの」
「ふーん。気を遣ってくれたんだ」
陽くんは抑揚のない淡々とした口調で言う。なんだか少し機嫌が悪そうにも見える。
「彼女がいるんだから、もうからかうのやめてね」
「…からかう?」
ピタリ、と陽くんが歩きを止めた。
「からかうって、何のこと」
わかってるくせに。
「だから、こないだの…、その…」
恥ずかしくて、ごにょごにょと口ごもると、陽くんが唇を重ねてきた。
「…んっ…」
唇の隙間から舌を割り入れられ、わたしのそれと絡み合う。
「…ん、…ふっ…」
街灯の少ない夜道で、人通りだってないようなものだけど、誰かに見られたら、どうすればいいの。
それに、陽くんには彼女がいるんだから、こんなことしたら、…だめだ。
私は思いっきり力を込めて、陽くんを突き飛ばした。
「…っ」
唇が離れ、陽くんがよろめく。
「やめてよ…!」
私はその場を離れようと、陽くんに背を向けると、手首を掴まれた。外壁に体を押し付けられる。
「デート中みたいだったから、声かけたらお邪魔かなって思ったの」
「ふーん。気を遣ってくれたんだ」
陽くんは抑揚のない淡々とした口調で言う。なんだか少し機嫌が悪そうにも見える。
「彼女がいるんだから、もうからかうのやめてね」
「…からかう?」
ピタリ、と陽くんが歩きを止めた。
「からかうって、何のこと」
わかってるくせに。
「だから、こないだの…、その…」
恥ずかしくて、ごにょごにょと口ごもると、陽くんが唇を重ねてきた。
「…んっ…」
唇の隙間から舌を割り入れられ、わたしのそれと絡み合う。
「…ん、…ふっ…」
街灯の少ない夜道で、人通りだってないようなものだけど、誰かに見られたら、どうすればいいの。
それに、陽くんには彼女がいるんだから、こんなことしたら、…だめだ。
私は思いっきり力を込めて、陽くんを突き飛ばした。
「…っ」
唇が離れ、陽くんがよろめく。
「やめてよ…!」
私はその場を離れようと、陽くんに背を向けると、手首を掴まれた。外壁に体を押し付けられる。