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Deep Emotion
第12章 お祭りの夜
蝉の大合唱で耳鳴りがしそうな7月下旬。

リビングの掃除をしていると、テーブルの上にある1枚のチラシが目についた。

大輪の花火を見る親子の後ろ姿の写真が載っていて、縦書きの力強い筆文字で『納涼祭り』と書かれている。

納涼祭り。もうそんな時期なのか。すっかり忘れていた。

今年は多分行けるだろうし、久しぶりに行きたいな。

そんなことを考えつつ、私は掃除を続けた。



「藤澤さんはお祭り行くの?」

夕食後に門倉さんが訊いてきた。

「後で陽も誘うけど、よかったら一緒にどうかな。…よかったらだけど」

もちろん私は行くつもりでいた。
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