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Deep Emotion
第2章 始まりの予感

「はい。生活するので目一杯で、家借りるお金がないんです。で、ネットカフェで寝泊まりしてます」
収入は、仕事先の連絡ツールとして使用するケータイ、接客マナーとして最低限のメイクをするためのコスメやスキンケア製品、それから体調管理の為にご飯をしっかり食べることに使っている。
流行りのおしゃれな服は着たいけど、必要性が低いから除外。
家は雨風が凌げて、シャワーとトイレがあれば充分だけど、収入から必要な支出を差し引いたお金で借りられるような家賃の安いところは全部埋まっていた。
「ご両親が心配するんじゃ…」
「母は、亡くなってるんです。父はどこの誰で何をしてるかわからないですし」
さっきから、結構プライバシーに関わることばっかり喋っている。でも、不思議といやな感じはしなかった。
「…そうか。…あの、さ」
門倉さんが何か言おうとしたその時、扉をノックする音がまた聞こえ、園部さんが顔を覗かせた。
「失礼いたします。お時間が…」
「…わかった、すぐ行く」
門倉さんが部屋を出ようとするので、私もそれに倣った。
エレベーターホールまで、門倉さんと園部さんの後を追うようについて行く。
先に来たエレベーターを門倉さんたちに譲って、私は次に上がって来たエレベーターに乗った。
そのまま1階まで降り、ビルを出て、駅のコインロッカーからキャリーバッグを出し、今夜泊まるネットカフェを目指して歩く。
春の夕暮れは、まだ肌寒い。
収入は、仕事先の連絡ツールとして使用するケータイ、接客マナーとして最低限のメイクをするためのコスメやスキンケア製品、それから体調管理の為にご飯をしっかり食べることに使っている。
流行りのおしゃれな服は着たいけど、必要性が低いから除外。
家は雨風が凌げて、シャワーとトイレがあれば充分だけど、収入から必要な支出を差し引いたお金で借りられるような家賃の安いところは全部埋まっていた。
「ご両親が心配するんじゃ…」
「母は、亡くなってるんです。父はどこの誰で何をしてるかわからないですし」
さっきから、結構プライバシーに関わることばっかり喋っている。でも、不思議といやな感じはしなかった。
「…そうか。…あの、さ」
門倉さんが何か言おうとしたその時、扉をノックする音がまた聞こえ、園部さんが顔を覗かせた。
「失礼いたします。お時間が…」
「…わかった、すぐ行く」
門倉さんが部屋を出ようとするので、私もそれに倣った。
エレベーターホールまで、門倉さんと園部さんの後を追うようについて行く。
先に来たエレベーターを門倉さんたちに譲って、私は次に上がって来たエレベーターに乗った。
そのまま1階まで降り、ビルを出て、駅のコインロッカーからキャリーバッグを出し、今夜泊まるネットカフェを目指して歩く。
春の夕暮れは、まだ肌寒い。

