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第13章 芽生える想い

「ハウスキーパーは続けられるんだし、お給料だったら私が渡す。明はただの雇い主でしょう。貴女の生活は変わらないのに、明を捜すのはどうして？」

由里さんの質問に、私は答えることができなかった。

＊

私は由里さんの質問の答えを考えた。

どうして門倉さんを捜すのか？

心配だからに決まってる。これが陽くんでも、私は心配で捜したはずだ。

…いつも、そこで思考は止まる。でも、それでは答えが出ない。

もっと深く考えなくてはいけない。

目を閉じて、自分の心に問いかける。

安全な所で、それなりに楽しく生活できているのなら、それはそれでいい。だけど、私はそれ以上にどうしたいのか？

私は門倉さんが心配だけど、それ以上に……。





（…会いたい）





私は、自分の思考を疑った。



会いたいのは、どうして。

会えないことに耐えられないから。

耐えられないのはどうして。




それは…。




涙腺が決壊して、ぼろぼろと涙が零れた。