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第14章 恋じゃない。

「兄貴の居場所わかったらどうするの？」

「え」

陽くんがそんな事を訊くのは初めてで、私は顔だけを振り向かせた。

陽くんは、こちらをまっすぐに見つめている。なんだか泣きそうな顔をしていた。

「…どうするのって、訊いてるんだけど」

「あ、会うよ…」


会いたい。すごく。


会って言いたいことがあるの。


「会わなくていいんじゃない」

陽くんの腕の力が少し強くなる。

「どうして…」

「もう、あいつのこと忘れてよ」

陽くんが唇を寄せた。