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隠匿の令嬢
第5章 獣の邸と淫らな教育係


 レオナルド・アッシュブランは個人邸宅を構えており、アリエッタが寄宿舎を出された日にその邸に連れてこられた。


 アッシュブラン王太子邸はどこをとっても豪奢な造りで、特に3階分を吹き抜けにした何百人をも収容出来そうな大広間は天井に吊り下げられるクリスタルのきらびやかなシャンデリアが部屋の隅々まで明かりで照らし。


 天井に描かれるフレスコ画は緻密に描かれアリエッタはひどく感激した。


 庭園の景観も素晴らしく、丸みを帯びて刈り込まれた樹木はどこにも歪みはなく、煉瓦で区切られた花壇には色とりどりの花が風で茎を揺らす。


 整然と並ぶ刈り込みを抜けると円柱の大理石で支えられ、ドーム型になる四阿〈アズマヤ〉があり、置かれた白いテーブルと椅子がお茶を誘う。





 しかしこれだけ大きな邸宅であるのに、執事を筆頭とする使用人は最低限の人数で、王太子然としてないレオの人柄を現しているようなアットホームな温かさが人々にはあった。


 手透きの使用人を集め、アリエッタを彼らに紹介したときには面食らったものだ。







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