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隠匿の令嬢
第5章 獣の邸と淫らな教育係



「今日からこの邸に彼女も住むことになった。みんなよくしてやってくれ」


「アリエッタ・ベオグラードと申します。今日からお世話になります。よろしくお願い致します」


 スカートの裾を広げ腰を落として挨拶すると、まだ若い精悍な執事や侍女たちがパチパチと拍手した。


「ナキラ、彼女の世話を頼む。あと部屋に案内して身なりを整えてくれ」


「了解でーす! レオ様好みにバッチリ仕上げちゃいます!」


 癖っ毛で赤毛のナキラの振る舞いには冷や汗をかいた。アリエッタ以前いた邸ではもし使用人がこんな気軽な喋り方をしようものなら、鞭で打たれても文句は言えないからだ。


 しかしレオは意に介さず執事を伴って邸の奥へと消えて行った。


 ナキラの案内でアリエッタにあてがわれたゲストルームに通される。クリーム色の壁紙には蔦と葉が模された緻密な柄が描かれ、ゆったりとした座り心地の良さそうなソファーや大理石のテーブル、扉と反対側の窓からは小さなテラスに出られるようになっている。


 奥にも部屋があり、天蓋つきのベッドはふかふかで、サイドテーブルには黄金に縁取られた銀製のオイルランプが置かれていた。







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