この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠匿の令嬢
第2章 温室での密会
「さっきはごめんね。危うくバラしちゃうとこだった」
構内から出てマデリーヌが追いかけて来ないのを確認すると、ニーナは申し訳なさそうに肩を竦めた。
「いいの。それよりニーナは大丈夫なの? さっきの方、侯爵令嬢なんでしょ? ルードリアン男爵にご迷惑がかかったら……」
「へーき、へーき! お父様がやり手なの、アリエッタも知ってるでしょ? 侯爵相手だって簡単に潰されやしないわよ。それに男のことを指摘されただなんて、マデリーヌだって言えないわ」
「それならいいけど……」
ニーナは謝ってくれたけど、本当は謝るべきは自分なのだとアリエッタは申し訳なくなる。
アリエッタのことで怒ってくれたニーナに迷惑や被害が被ったら……と考えるだけで、アリエッタは自身を呪いたい気持ちだ。
すでにアリエッタは厭というほどこの身を呪っているのに、だ。
.