この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠匿の令嬢
第5章 獣の邸と淫らな教育係
サイドテーブルに置かれるオイルランプに照らされる寝室。アリエッタは寝台で背中からレオに包まれ座らされた。
嫌だ、やめてと叫びたいのに、アリエッタには出来ない。
レオには返しきれないほどの恩がある。暖かなベッドを与えられ、凍えなくてもいい夜を過ごし、空腹で眠れないという日もない。
家族に疎まれてきたアリエッタをレオは家族の一員だと呼んでくれ、誕生日におめでとうと言ってもくれた。
真新しい筆で好きなときに好きなだけ絵を描けるアトリエだって今のアリエッタにはある。
望むことさえ許されなかった数々の物をレオはくれた。
そのレオが取るに足らないアリエッタの身一つで幸せを掴めるというなら、拒絶する理由なんてないじゃないか。
レオはアリエッタの純潔は奪わないと言ってくれた。万が一純潔を散らされた事態となっても、誰かを幸せにするためであったら、神もきっと寛大に赦してくださる──赦してくださらなくても、レオの幸せな姿を見られればいい。
アリエッタはその想いだけでレオに身を任せた。
.