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隠匿の令嬢
第6章 恥じらう乙女と卑猥な遊戯
起き上がるにはまだ早い時間だが、アリエッタにはやることがある。
ここ数日の日課となった、日に二度は浴室で身を清めるためだ。今までのアリエッタには考えられない贅沢さ。日に一度でもシャボンが泡立つたっぷりの湯に浸かるなど、贅沢すぎる。
けれどそうしなければいけない理由があって。レオにモーニングティーを給仕する際も、彼の教育係としての役目を果たさなければならないから。
汗でびっしょりの肌をレオに触れさせるわけにいかない。
寝台から降りかけたアリエッタは、はたと止まる。
──そういえば、彼は出掛けてるのだった。
飛び起きるほど恐ろしい夢のせいですっかり忘れていた。二日前からレオは隣町の視察へと赴いていたんだったと思い至る。
アリエッタはもう一度横たわってまだ眠く重たい瞼を伏せる。しかし頭は冴えていて一向に眠れる気配がない。
嘆息したアリエッタは身体を引き摺るよう起き出し、レオがつけた痕で赤く花が散った肌にドレスを纏い、その上からエプロンを着た。
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