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隠匿の令嬢
第6章 恥じらう乙女と卑猥な遊戯
その後アリエッタはナキラが朝食として運んできたサンドウィッチとスコーンを食べ、また穏やかな時のなか、筆を取っていた。
時おり筆をペインティングナイフに持ち変えたり、絵具箱からイメージに沿った絵の具を取り出したり。
しかし今までのように筆が進まない。
元々、肖像画が苦手ということもあるが、イメージが定まらない。
アリエッタはスケッチブックを取り、自分が描いたレオのページを開く。パラパラと何ページにも渡って鉛筆の線のみで描かれたレオは、今にも動き出しそうだ。
女のような綺麗な顔立ちなのに精悍な顔付きが男らしさを感じさせ、広く逞しい肢体はどこまでも力強い。
シャープな横顔は見惚れるほど鼻梁が通り、筋が通り喉仏のある首は色香が漂いそう。
己の描いた絵であるのに、ほうっと思わず溜め息が洩れる。
そのときジワリ……と下肢から蜜が溢れ、アリエッタは慌てた。
やだ、なんで……。
ぶるりと身体が震え、自分を抱き締める。
私……変だわ。
触れられてもないのに蜜が溢れたことに、戸惑いを覚えた。
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