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隠匿の令嬢
第6章 恥じらう乙女と卑猥な遊戯
「レオ様がデュアス公領の市民を救ったんですよ。そのお礼状が早々に届いたものだから、王城も仰天したらしいですよ」
「レオが?」
ナキラはあれだけお菓子を食べたというのに、まだ食べたりないのかクッキーを次々頬張りながら話す。
「ほんっと、あの方はすごいですよね。私財を開いて怪我人の治療費や医師団の派遣やら、デュアス公爵が不正にせしめてた税金や怪我で働けない人の生活の補償やら……。そりゃあ礼状の一つや二つ送りたくなる市民の気持ちも分かりますよ」
キッシュも負けじと口に放り込み、うんうんと頷いて話す。
「そうだったの……」
「本来、レオ様がそこまでする必要ないんですけどね。あの方は困ってる人を放っておけない質なんです。国が動くには手続きやらなんやらで時間がかかるからって。デュアス公爵に責任取らせようにも、賭博とかで使い果たしてたらしくて。まあ、今回の件で諸々余罪も出てきてるみたいですし、爵位剥奪は免れないでしょうね」
いい気味だとばかりにキッシュはふんぞり返る。
ナキラもまた「当然ですよー」と同意した。
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