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隠匿の令嬢
第16章 灰色の世界
遊蕩に溺れる愚かな女だと思って欲しい。
レオの理想とする女性はリンゼイのように純粋で恥じらい深く、清楚な人だ。
卑猥な蜜を滴らせ、淫猥なことを口にし、素直に快感を追うような──アリエッタのような女ではない。
過去、レオに愛を告げてしまったのは一時の気の迷いで、現在は肉欲に溺れているだけで気持ちなどもうないとも思って欲しかった。
願うのはアリエッタを見捨てるとき、彼の良心が痛んでしまわないでいること。
アリエッタは仕事を辞めるだけ。そう割り切ってくれればいいのだ。
「自分ですると言ったのはキミだが……手伝ってやろうか」
「待って……! できる……できるから」
彼の膝に手を置いて、腰を大きく回す。
「んあっ……、ああぁ……」
そのひと回しで隘路が蠢き、喉を震わせ軽く気をやる。
愉悦が駆け巡り全身ビクビクとさせ、倒れそうになるのをレオが上体を起こして支える。
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