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隠匿の令嬢
第20章 アリエッタの愛
「リリス嬢?」
考え込むリリスを怪訝に見遣ると、慌てて顔を上げた。
「殿下! 修道院も探していただけませんか?」
「なにかご存知なんですか?」
「それが……。前に私、お姉さまに教えたんです。未亡人や娼婦でも修道院で働けるって」
「リリス嬢がアリエッタに……?」
初耳だった。しかしそうなると、話は変わってくる。
近場の町中の店という店に聞き込んでもアリエッタはいなかった。聞けば金も持たずに出て行ったのだ。女の足でそう遠くへは行けないだろうと、範囲は限定されてはいた。
だがそこに修道院は含んでいない。
「ありがとうございます! すぐ手配します」
修道院にいるとは限らない。しかしいない前提は覆った。
レオはジョシュアに指示を出し、各方面に散っている者たちにその報せを届けさせた。
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