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隠匿の令嬢
第20章 アリエッタの愛
「それでお姉さまはまだ……?」
「はい……。情報が入りましたらお知らせします」
「そう……ですか」
落胆するリリスや夫人に申し訳なく思いつつ部屋を出ると、リリスが追い掛けてきた。
「どうされました」
「お姉さまの捜索なんですが、修道院もされてますか」
アリエッタは以前、口癖のように純潔でなければ神に嫁げないと言っていた。
本来はもちろんそうだ。穢れのない身で仕えるのが道理。しかし修道院にしか身を置けない女もいる。
それを知らないアリエッタがどんな事情があるにせよ、修道院には行くはずないと捜索場所から外していた。
「いえ……。彼女はその……清らかでなければいけないと思っていたので」
流石のレオもアリエッタの身内の、しかも若い彼女にあけすけな物言いをするわけにいかず、言葉を選んで言う。
「やっぱり……」
だがリリスはレオとアリエッタが男女の仲にあることには特別驚くでもなく、考え込んだ。
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