この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠匿の令嬢
第21章 その世界、色鮮やかに



 レオはアリエッタの背に腕を回し、抱き寄せる。


「ああ、生涯離れないでくれ。もしまた逃げようとしても無駄だ。どこへでも探しに行くし、嫌がっても拐う」


 耳に響く懇願に、胸が切なく震えた。


 もう言ってもいいだろうか。言わないと誓いを立ててしまった言葉を。


「逃げないわ。だって……」


 刹那、躊躇った。これまでを振り返り、互いの気持ちが擦れ違ったとはいえ、レオを知らずに傷付け苦しめてしまった。


 半年間、レオはアリエッタ以上に苦しんできたはずだ。それを思うと罪悪感がもたげるも、こんな自分をレオは諦めず迎えに来てくれた。


 だったら迷うことではない。これからは彼のよう、真っ直ぐレオを愛するひとりの女として言えばいい。


「あなたのこと愛してるから」


 途端、抱き締めていた腕が緩み、丸くした瞳でまじまじ見詰められ、そして不機嫌そうに眉を顰める。


 やはり言ってはいけなかったのだろうか、と息を呑めば。


「……キミはずるいな。そんな誘い文句を言われて、我慢出来るわけないだろ」


 むっつりとするレオをよくよく見れば、温かい湯のせいとはまた別に頬が上気していた。


 え? と疑問を投げる間もなくレオはアリエッタを抱き上げると、浴槽から出ようとした。


「湯にはもう充分浸かったな。これ以上我慢させられたら、頭がどうにかなりそうだ」


 不遜に言い放ち、有無を言わさずアリエッタを寝台へ運んだ。






.
/724ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ