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隠匿の令嬢
第22章 エピローグ
王室の紋章が刻まれる2頭引きの広々とした馬車が向かったのは、王城近くの大聖堂。
パイプオルガンの音に迎えられ、アリエッタたちが姿を見せると、招待客は話すのを止めてシンと静まり返る。
アリエッタはレオの腕にそっと手を絡め、しずしずと神父が佇む場所へと歩む。
招待客の中には懐かしのアッシュブラン邸の面々が正装をして揃っていた。
使用人が主人の式に出席するなど通常では考えられない光景だが、レオを型に嵌めるのはそもそも間違いというものかもしれない。
ニーナは既に泣いていて、その隣に寄り添うようにセドリックの姿もある。
貴賓席では国王や王妃が穏やかな顔で二人を見守っている。
そして母とリリスの姿も貴賓席にあった。
欠けているのは父だ。
アリエッタは最初の移動中の馬車で、両親が離縁した旨をレオから聞かされていた。
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