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隠匿の令嬢
第22章 エピローグ
祝宴の席で、アリエッタは久しぶりとなる母とリリスとの対面を果たした。
「アリエッタ……。あなたが戻ってくると信じていたわ」
「お母さま……。ごめ」
「謝っては駄目よ」
母はアリエッタの言葉を遮り、頬を撫でる。
「謝るのはこの母のほうです。愛のない結婚をしてしまったばかりに、娘のあなたたちをどれだけ苦しめてしまったことか……」
母はリリスの背中を擦る。
「でも後悔などはいくらしたところで拭い去れるものではないわ。私はね、アリエッタとリリスの母であると胸を張れるようこれからは生きていくわ。だからアリエッタもリリスも未来のことだけ考えて」
「お母さま……。はい……ありがとうございます」
「お姉さま。今までの分も幸せになってください。でないと私が困ります。お姉さまはいつだって私の目標で憧れなんですから」
「リリス……。ありがとう。リリスも幸せになってね」
アリエッタとリリスが抱き合うのを包み込み、母が姉妹を抱き締めた。
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