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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第5章 情熱とは熱しやすく冷めやすい
「うん。友人の頼まれ事でね・・」
「すごく嬉しいよ!って事は誰かと一緒?」
「いや、一人で行くわ。」
「どういう意味・・?」
「現地の友人にー・・誘われた、みたいな?」
「で、一人で見るの?」
「そうよ。」
あ、矛盾してる!と思った時、すでに遅し。
電話越しのハンソンからは無言の圧力さえも感じられた。
「可笑しくない?」
「そうかしら?別に普通よ」
「普通じゃないよ。アブノーマルだ。
本当に誘われたの?」
「えぇ。」
「誰に?」
「一般人。」
「もう一度聞く、誰に?」
「だから、一般人だよ。」
「Hey Sayuri.
It is last chance...
(小百合、
これは本当にラストチャンスだよ?)」
「誰に誘われたの?」
「ーーー・・柳沢。」
やっぱり私は推しに弱い。
嘘をつくのが上手なのは仕事関係や、実際に目の前で男とサシで喋った時だけなのか?
"オーマイガーー・・"
慌てふためく様子もなく
ただただ、そう呟いたハンソン。
そりゃそうだよね。
私と彼が知り合いっていう時点で、彼は理解ができないと思う。
「彼と君が知り合いな訳は聞かないよ。
でも、彼に誘われたのは本当なんだね?」
「それは本当よ。条件付きでね。」
「条件?」
「うん。私は、それを呑むしかなかった。
しかも、彼からの要望で"あなたを応援できない"」
「光を応援するのか?」
「本当に仕方無くだけどね。」
「ーー・・条件は言えない?僕に」
「うん。あんまり人にいう事じゃないかも。」
「そっか。ーー・・なら聞かないよ。
彼を応援してもいい。だけど本心を聞かせてくれ」
本心。
そんなのー・・
「あなたの事を心の底から応援してるわ。」
いろんな意味でね。
彼とハンソンを個人で比べてもー・・。
条件を考えてもー・・
「あなたに勝ってもらうしか方法は無いの」
「そっか、それなら頑張るよ。」
心なしかトーンが上がった気がした、よかった。
「じゃあ、君が、彼を応援する事を許す代わりに
今僕のいう事を聞いてくれないか?」
「なに?」