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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第1章 遊びと本気



「ーーっ・・あかん、やめてっー・・」


微かに聞こえる色っぽい吐息と
リズミカルに音を立てるダブルベッド。


よく小説などで聞く言葉を口先だけで並べてみるが、微塵も止めてほしい、なんて思ってもいない。


“やめて”と言いながらも“やめない”いや、むしろ確実にペースを上げてくる。この“少し無理矢理”な感じが堪らないのだ。

足を彼の背中の上に絡ませ、自らの腰も微かに動いているのが何よりも、その証拠になるだろう。



「っ・・・やべぇ」


卑猥な音が寝室に鳴り響く。


朦朧とした意識の中で確実に聞こえた彼の言葉。

その言葉に少しガッカリしながらも、彼の“終わり”を催促するかの様に少しキツク締め付ける。




「ひゃぁっ!・・あたしもー・・イキそう」




この一声が彼にとってはGOサインと同じ様なモノなのだろう。



苦しそうな声をあげながら、自身を抜き
私のお腹の上に溜まっていたものを吐き出した。









とまぁ、そんな甘い話はもう一時間ほど前の事になる。


そそくさと服を着ている私とは対照的にいつまでも裸で、余韻に浸ろうとする彼にイラつきを覚えながら、煙草に火をつけた。

「はぁ。」

「何?激しくしすぎた?」



「そうやな、そんな所ちゃう?」




この土地には少し不釣合いな方言で、そう告げてみた。


足りなかった、とか
もっとこうしてほしいの!とか、そういうことは極力言いたくない。


「どこが?」「なんで?」
などの質問責めにあうのが実に面倒臭いからだ。たまたま身体の相性が合って、お互い必要以上に物事を発さなくても分かり合える関係を希望している。でも隼人の性格では、それはムリなんだろうな、と最近わかりはじめてきた。





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