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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第8章 パパとママ
「よいっしょ・・。」
特等席か何かかな・・?窓からは、コート一面が見渡せて、
革張りの椅子が3席と、真っ白のテーブル。
そして、大きな大きなソファーがあった。
柳沢は、そのソファーに紫音を寝かせる。
まだ寝返りできないから落ちる心配もないわね。
「あ、ていうかさ」
「ん?」
「・・・いや、やっぱいい」
「途中まで言いかけたんだから言えよ。気になるだろ」
「でも、どうってことない質問よ」
「いいから。俺が言えって言ってるんだ」
「・・。どこか体調悪い?」
「何で?」
「いや、悪くないならいい。
ただー・・しんどそうに見えたから」
「俺が?」
「うん。」
「何で、そう思った?」
「あなたがファンサービスを、よくする人じゃないのは知ってるけど、それを差し引いても今日は終始うつむいてて、しんどそうだった」
「腹減ってた」
「本当?」
「あぁ。」
「ならいい。私が深読みしすぎた。」
おなかが減ったから終始うつむくって・・・子どもか!!
ファンの人に見られないように、とりあえずカーテンを閉めた。
それでも日光は遮断できてないし電気もついてるから、程よく明るい。
「練習終わったら飯食いに行こうか」
「どうしたのよ、いきなり」
「イヤなら良い」
「イヤじゃないわよ。行こう」
「何食べたい?」
「うーん。別にそれはないかなぁ。
でも紫音居るし・・個室がいいかも」
「そうだな。分かった」
何か・・水族館に出掛けた一連もそうだけど・・
凄く“家族”として、動いてくれてる。
もう少し紫音が大きくなれば、海外旅行とか
温泉とかいけるのに・・なんて叶いもしない夢物語を頭の中に描いた。
柳沢と紫音が温泉に入って
同じ格好して寝てる姿がいとも簡単に想像つく。
性格はー・・宮間さんに似てくれたらいいけど。