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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第9章 主婦の長期休暇
「あぁ。強い国と戦って巻けたら監督選びが悪かったって協会が責められるし・・・だからといって弱い国と戦ってもサッカー通には“無駄な試合”って言われるしな」


「凄いジレンマ」


「うん。難しいと思うよ」


「戦いたい国とかあるの?」


「・・・ドイツかイギリス、フランス辺り。」

「全部強いじゃん」


「まぁな。俺は通用するから問題ない。岸野含め他数人も。でも国内組のほとんどが・・・力の差を思い知って病むかもな」

強い国と戦うと確かにネクストステップの第一歩にもなるけれど、もしかしたら選手の自信をなくすかもしれないって事かー・・。

スポーツ選手は
適度な自信を持っておかないとやっていけない。


柳沢の場合は“過剰な自信”の持ち主だけど
それも結果に現れてるから・・・まぁよしとして。

他だよね・・
他の選手のことも頭にいれて
考え、行動しないとダメってことか。



「でもある程度は仕方ないわよ。
体格の問題もあるし・・・」

「そう言ってくれる“優しい人”が多いから
日本はいつまでたってもサッカー後進国って言われるんだよ」


そんな事言われても・・・


“そうだよね弱いもんね!”
なんていえるわけないでしょう・・・!



「仲良く夫婦している間に紫音連れて試合見に行くよ」

「まじで?」


「うん。ガーナと・・
後は契約期間中なら次の試合も」


「別に夫婦じゃなくてもいいじゃん?」


「えぇ?」




「あんたは紫音の母親なんだから
好きなときにコイツ連れて見にきたらいいだろう。

まぁあんたが、契約終了後も
俺と関わりたいって言うなら、の話だけどな」



ーー・・こいつと関わりたい・・・


ビミョーな線だなぁ・・・。




「紫音がガーナ戦見に来るなら何としてでも勝たないとダメだな」


「ふふ。そうやね。
はじめての試合でパパが負けてるの見るのは・・いやかも」



「だなぁ~」


少し顔が緩む私達。


お互い、本当に不思議な線引きをしている。


でもー・・・こうやって三人でどこかに遊びに行って
何だかんだで会話が続いてるのが、一番の“仲良し”の証拠なのかも。

仲良しのカタチが他の夫婦とは違えどー・・
相談をされなくてもー・・・

私達は、これでいいのかな?なーんてね。

“隣の芝生は青く見える”
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