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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第9章 主婦の長期休暇






午後5時。


“私の町”から“私達の町”に変わった
あの場所では、時刻を知らせるチャイムが鳴ってあるだろう。


一時間半のパレードを終えて、乗れる限りのアトラクションにほとんど挑んだ私達。


私の予想通り、
柳沢は紫音と私がパレードに出ているプリンセスと握手している写真や二人でメリーゴーランドに乗っている写真を撮っていた。

三人で撮ったのは一枚だけ。
有名キャラクターと一緒に撮ってもらったものだ。


明日か明後日には彼が勝手に現像してくれた実物が家の机の上に無造作に並べられているだろう。そういう所はマメなんだよね~私より。


ぼったくり価格の写真を買わなかったことだけは褒めてあげたかった。


私達はぐっすり眠る紫音をベビーカーから降ろして車に乗り込む。いつの間にか、車にベビーカーを積むのも、運転も柳沢の仕事になっていた。

まぁ、朝、彼を送りにいくときは私が運転するんだけど。こういうお出かけの場面では絶対に運転してくれる。

そしてその運転が上手いの何のそのー・・本当に何をやらしても完璧な男だ。ハンソン同様。



「また紫音と同じ顔して寝るんだろ」

「寝ないわよ!
帰りスーパーよってね。何もないから」


「わかった。」


紫音を抱いているからか、私の袖口はヨダレまみれ・・・。こんなにヨダレ垂れる子っているのかしら?


「明日も昼から出掛けよう。
それまでは寝とくからギリギリで起こしてくれ」

「わかった。」


「今日のご飯は簡単でいいよ。
昼食べたの遅かったし、そんなに腹減ってねぇだろ?」



「うん。ありがとう。」


そして、車が走り出して数分後。

彼の車ではいつも流れているクラシックが妙に心地よくって・・・私は柳沢の予想通り、紫音と同じ顔をしながら眠ってしまった。


それを見て、優しい笑顔で微笑んでる光の顔なんか見ることもせずにーー・・。
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