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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第10章 嫉妬心は愛情の塊
ーーー・・ドサッ!!
「いったぁい!」
腰に響く鈍い音と軽い刺激。
私が柳沢をソファーに投げた時と全く同じ様に、私も彼に投げられた。
こいつ・・
女の子に優しくするって言葉知らないのかな?!
この2日の間に何をしたのだろう?
あれほどまでに綺麗だったリビングは、彼たちの服や新しい紫音のグッズなどで溢れ帰っていた。
誰かと同棲したら、こういう風になるから嫌なのよね。
汚いのは本当に嫌い。ただでさえ、心が不安定なのに家が汚かったらもっと不安定になっちゃうわーー・・。
ヨダレで枕がベチョベチョになっているのに
気にする様子もなく熟睡してる紫音に目をむけて、思わず微笑んでしまう。
子供を見たら嫌な出来事がすごくチッポケに見えて、
一生懸命生きていこう!と思える。
ーー・・そういう事を思わせたりできるのって子供だけなのよね。つまり・・紫音は私にとって唯一無二の存在だ。
誰よりも愛しくて
誰よりも可愛らしい、私の天使そのもの。
「ほら、とりあえず落ち着けよ。」
と灰皿を渡されて、深くソファーに座り込む。
「紫音がーー・・。」
「窓あけて、窓の方向いて吸え。」
「無理。動けない・・」
「あんたマジで・・。
あぁもう良いよ。俺がする!」
呆れながら、リビングにある大きな窓をあけてくれた。
「ありがとう。」
「ったく、まじで信じられねぇ」
「ーー・・あんたさ、
私の内腿にキスマークつけた?」
「はぁ?いつ?」
仕事柄、たくさんの人に出会ってる私。
嘘をつく事にそれほど罪悪感を感じなくなったと同時に人の嘘も簡単に見破れる様になった。
「素直に言ってよ。」
「それが何なんだよ?付けたけど」
「やっぱりーー・・」
「別に良いじゃん。それがあったお陰で
ハンソンの愛を尚、深く感じる事が出来たんだろ?」
ハンソンの愛を深くー・・そりゃあ出来たけども。
彼の愛情の矛先は違う方向に向いてしまったー・・。
私がかわいいと思える嫉妬心ではなくなっていたのは真実。
「え・・それが原因で何かあった?」
「別に。何もない。」
「あ、そう。じゃあ良かったじゃん。
嫁が違う男に抱かれて腰砕き起こったのに、駐車場まで迎えに行ってやるなんて俺すごい優しいと思うわ」