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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第10章 嫉妬心は愛情の塊
暗い気分が車内全体に漂い始めた時、窓ガラスを叩く音がした。
「・・・・・・あ。」
恐る恐る視線を向けたその先には、
綺麗な顔が勿体ないくらい眉間に皺を寄せている柳沢が居るー・・。
「あんた何やってんの?」
「だから立たれへんから・・。」
「はぁ。もう本当に信じられねぇ。」
私の重いボストンを右手で軽々く持ってみせる柳沢。私だって正気ならそれくらい出来るんだからね。
「ほら、行くぞ。」
半強制的に担がれて私たちは駐車場を後にした。
「いったーー・・い。」
「望んでなった結果だろ。グチグチ言うな」
「っ!!」
望んでなった結果な訳ないじゃんー・・。
私が望んでいたのは二人で仲良くお出掛けして、
夜に行われる愛を確かめる行為ー・・。
ちゃんと避妊してもらう事が第一としてね?
それなのにー・・。
「望んでた結果な訳ないやん・・」
「あぁ?!」
柳沢の肩の上に、身体を折り曲げられた状態で担がれているのだから一人言くらいのボリュームでは、柳沢には聞こえない。そんなの分かってる。
でもーー・・聞き返された行為に
すごく、すごくムカッとしてしまった。