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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第10章 嫉妬心は愛情の塊


「あ、シャキーラ?!」

「もしもし~?どの車よ~?」


「自動販売機って知ってる?」

「聞いた事あるわ。」


「その機械のちょうど前に停まってる!

真っ黒!」


「あー、オッケー」


明るい声が電話越しから、直接に変わった。

後ろの席にのってくるシャキーラは髪を染めたのかな?綺麗なブロンドが少しおとなしい色に変わっていた。

「なんか、落ち着いたわね。」


「仕事で会う会社の代表がバカそうな女嫌いなのよ。」

「あはは!だから染めたのね。」


「えぇ、本当嫌になっちゃうでしょ?

あ、へい光。話は聞いてるわ。シャキーラよ。」


「俺も聞いてるよ、宜しくな。」


「小百合、この子が紫音?」

「えぇ。」


「ずっと何か喋ってるわよ。元気な子ね」

「あーー!うーー!」


「ははは!可愛いんだから~」


シャキーラも子どもが大好き。この子は絶対に怒らないのよね。だから母親になったとしても、怒らない育て方っていうのをすると思う。それが良いのか悪いのかは置いておいて。

「どこかいきたい所あるか?」

「そうね~光のおすすめは?」


「草山行くか?」

「いいわねー。日本って感じよ。」

「草山?」

「昔ながらの風景が残ってる所よ。」


「へぇ~」


「夜は茶屋で飯食って帰る?」
「そうしましょう。芸者さんなんかみたら、シャキーラ写真ばっか撮ると思うわ。」


「芸者?!すごいわね!楽しみよ!!」


「はは!じゃあ決定だな。」


車内の雰囲気はすごく明るい。彼女のおかげでもあるけど、私の友人として扱ってくれている光の気使いのおかげでもあるだろう。

それぞれ英語の訛りが違うけれど
理解するのは全然苦じゃない。

はじめて体験している"今"に心踊らせながら、柳沢の運転に身を任せ、シャキーラとの話に花を咲かせた。
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