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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第1章 遊びと本気
「あ、そうなんだ。子どもさんは?」
「居はらへんみたい。旦那さんが、子どもできない病気っていうことは少し前に聞いた事がある気がするわ」
「だから余計可愛がってくれるのかもしれないねー」
「多分、それもあるだろうね。遅くの子なら、私と年齢近いだろうし」
「そうだなぁ」
と私の意見に納得して二人で煙草を吸っていたら、お風呂から呼び出し音が聞こえた。やっぱりウチのお風呂は優秀だ。早い。
「先はいって」
「いいの?」
「うん。どうぞ」
「じゃあお言葉に甘えて。」
「着替えとハブラシは洗面台の横にあるからね。多分見たら分かると思う」
「お、まじで。何から何まで助かるよ。」
心底嬉しそうな顔をして礼を言われるので、何か小っ恥ずかしい気持ちになった。隼人も蓮君と少し似ていて、どちらかというと可愛らしい性格だが、恥ずかしくなったのは多分記憶にある限りでは無かったと思う。
そんな事を思いながら、いつのまにか無音になっているテレビに気が付いた。彼が私が興味ないのを察して、この部屋に戻ってきてくれた時に、その設定にしてくれたのか。どうなんだろう?
そうだとすれば、気が利く。
基本的にテレビはあまり好きではない。特に、それが飲み屋で知り合ってあまり良い印象が残っていない男の特集ならば、尚更見たい気持ちは薄れるだろう。
「まぁ、これが響君じゃないだけマシやんねー」
と、そんな事を思いながら
乾いている喉を残りの麦茶で潤した。