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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第2章 可愛いと五月蝿いは紙一重
「寝たの?」
「起きてるよ。」
「こっち向いてよ」
「今ムリ。」
真っ暗な寝室に軽やかな音楽が流れている。ディスプレイを必死に眺めて、“ラスボス”を倒そうと悪戦苦闘しているのは、蓮くんではなく、勿論私だ。
二人とも、同じシャンプーと入浴剤の香りを発している。
そんな状況で私が振り向いて、されることなんて、ひとつしかない。
一度ハマったら、最後まで徹底的に、やり遂げる性格の私だから、ゲームでも仕事でも途中で匙を投げる様な事はしない。しかも、もし“アレ”となれば時間は、よっぽどの自己中野郎じゃない限り小一時間、二時間程度はかかるに違いない。その時間があれば、絶対に、このラスボスを倒せる。
「さぁーちゃん」
「・・・」
「さぁたん?」
「ーー・・」
「小百合!」
不意にキツく名前を呼ばれ、やや強引に肩を引っ張られてビクリとしてしまう。
ーーチャラランッ♪
という機械音は私にゲームオーバーを告げている。
「なによ。」
「俺が何したいか・何するためにさぁの事ナンパしたのか分かってるんでしょ?それなら、焦らさないで」