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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第12章 前夜祭

珍しく紫音と二人で出掛けているから家には私一人。
臭いでバレない様に、窓を全て開けて、
ファブリーズを隣に置いてから煙草に火をつけた。
綺麗なアナウンサーと
元Jリーガーで、現解説者の男の人がパネルを手にして、何やら専門的な会話をしている。
ーー・・と思いきや、イケメン順位らしい。
たまげた。時間帯を考慮してるのか?
確かに主婦が一通り終わって休憩出来る時間だけど、それは無いでしょ~・・。
"いやー、本当にイギリスってのは強くてね"
"ハンソンは、よく言いますよね。"
"そうそう!彼は元々コロンビア出身なんだけど、小さい時にイギリスのアーセの下部組織に入ってたんだ。そこで色々と説得をされて、国籍を移してイギリス代表になった。ー・・でも、イギリス紳士らしい顔立ちだよね"
"ですよね~彫りが深くて・・
あぁでも言われてみれば
コロンビアっぽいところもあるかも!
情熱的なところ・・って言うんですかね?"
"彼はすごい情熱的だよ!
この前、ブラジルと対戦した時も、
相手のエースに削られてキレたのか胸ぐら掴もうとしてたもんね。思い止まったみたいだけど。"
"へぇ・・他にもそういったエピソードは多い方ですか?"
"多いよ~そっち方面でもワールドクラスなんじゃないかな?
この前の雑誌のインタビューで早く自分の精神的な支えになる様な妻がほしい。って言ってたし。結婚も近いかもしれないねぇ"
"結婚!日本のハンソンファンの人は悲しみますね"
"彼は大の親日家だよ!
付き合うなら日本人女性がいいって
同誌のインタビューで言ってた。
その理想の女性っていうのが、結構どこにでも居そうな日本人女性だったのよ。"
"ええ!どんなのだったんですか?"
ーー・・あの人そんな事言ってたの?!
目から鱗が飛び出そうになる。
柳沢の耳にも入ってるのかなー・・?
あぁ。だとしたら
もっと、もっと面倒臭い試合になりそう・・。

