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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第13章 合縁奇縁



"明日ありと思う心の仇桜"と強く思った、今日の朝。時の流れは無常で、怖がりな私を置いて月日は進み、また綺麗な青空を見ながら一日を迎える事になった。

だけどーー・・いつもの朝とは少し違う。

心臓は音をたてる程に鳴っており、
柳沢という私の夫は神妙な赴きで家を出た。


昨日の夜にハンソンに妊娠を伝えた私。

久しぶりに聞いた彼の声は、とても柔らかくて心底喜んでくれている様に思えた。でもね、違うの。

私の心の中は、貴方と同じ意見を持ち合わせていない。



柳沢が隣で、タバコを吸いながら聞いている中、

私が彼に放った言葉ーー・・。



「試合が終わったら、

心をすべて晒け出す。」


生唾を飲み込む音が聞こえた。電話越しなのに。

彼はー・・私の心の変化を読み取ったのだろうか?

とくに言い返してくることはなかったけど
納得のいっていない声色でオッケーと返事をしてきてから、お互いどちらからとも言わず電話をきった。


今日は日曜日。スタジアムは満席らしい。

そんな中でも、一番の特等席を用意してくれた柳沢に感謝したい。私はー・・この試合を見守るべき人物なのだから。逃げちゃ駄目なんだ。


例え、結果がどうであれー・・


試合の約100分の間にもう一度、

心を落ち着かせて、しっかりと考えなければー・・。




どこかで柳沢を応援している私は本当に根性無し。

すべて彼の言う事通りに動けば
自分の判断を間違える事はないと思っている。


人のせいにしようとしているーー・・。

良くも悪くも、

私の意見ではないほうが、私は楽なんだ。




だからーー・・彼には勝ってほしい。

そして四ヶ月前の様に



無理矢理、"本当の夫婦"になることを強要されたい。




あぁ、ダメな女よ、私ってー・・、





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