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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第3章 寂しがりやの法則
「美味しい~」
目の前に並ぶ沢山の特上肉・・。
焼くのはわたしだ。唯一の女性だし仕方ない。
「遥くん、お皿。」
「お~ありがとう。」
「おい、小百合!何で野菜いれんの?!」
「食べやなあかんよ。ニキビできかけてるし。」
「嘘・・。」
「ほんま。はい、柳沢さんお皿貸して。」
「俺、ハラミとタン。」
「野菜は?」
「もう食べた。」
「よく言うよ。全部うちがよそってるけど一口も食べてなかったやんか」
「ー・・。」
「サッカーしてるんやったら満遍なくたべやな」
と嫌味ったらしく言いながら、ピーマンと玉ねぎもいれてあげる。渡すときに鋭い目線を感じたけど嫌われてもいいし。間違った事は言っていないのだから。
柳沢くんと私以外は、何気にグイグイお酒が進んでいる。ビールから始まり焼酎ロック・・。
酔ってはいないようだけど。
ここに響くんがいなくてよかったと心底思った。
「名前なんて言うの?」
「小百合。」
「名字は?」
「ーー・・菊乃やけど。」
「へぇ。いい名前じゃん。」
「だろ?!俺の次期彼女」
「そうなのー?」
「そんな訳ないやろう。蓮が勝手に言うてるだけよ。聞き流しといて」
「ほら!こういう態度されるの、いつぶり?!って感じじゃん?男はいつになっても追いかけたいんだよな~」
前言撤回。
この子は酔ってるみたい。
「捕まえれたらいいね~」
なんて軽く答えている遥君は余裕がある。
「小百合」
「え?」
「ハラミいれて。」
柳沢に限ってはー・・この通り。
大人な割りに子供っぽい所がある。
この四人は確実に全員ワガママだろう。
「はいどうぞ。」
「ありがとう。」
ーー・・この場は楽しいけど
遥君と蓮を見る限りまだまだ絶好調そうだ。
私はすぐに帰宅できそうにない。