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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第3章 寂しがりやの法則
「由良監督のやつでしょ?」
「そう。あれは当たらないと思うわ。」
「ターゲットが学生の割には重いもんな、内容」
「だよな~。」
「てか、光いつ試合なの?」
「なにが?」
「リーグ。はじまるだろ?」
「あ~丁度一ヶ月後かな。」
「スタメン?」
「うん、先発だと思う。」
「へぇ~マッツェとかどうなの?怪我したんだろ?」
「うん。全治二週間。間に合うのは間に合うだろうけど途中からの方が多いんじゃね?」
話の内容からして、サッカーだろうか?
スポーツに関しては鈍すぎてなにがなにか全く分からない。こういう時は話の腰を折らない様にするのが一番良い。もしかしたら、何か将来役にたつ事があるかもしれないし。
「初戦見に行こうかな」
「来なくていいよ。」
「あぁ?」
「まず蓮、英語喋れないだろ。俺手伝わねぇから」
「水くさいなー」
さりげなく、時計を見る。21時だ。英語ー・・イギリスなら朝方だろうか?少し寂しい気持ちもしてきた。
「さぁ、そろそろ帰る?」
「ん?どっちでも良いよ。まだ居るんやったら私も居るし。」
「じゃあ帰ろうよ。光眠そうだし。」
「ふっ、確かに眠い」
そんな会話をしながら軽く支度を整えて、お会計のボタンを押した。
「ありがとうございます。11万6000円です。」
「一括で~」
「俺が払うからいいよ。」
「でもー・・」
借りを作りたくない・・。
「誘ったのは俺だから。はい、これで一括にしてもらえる?」
アイドルらしい笑顔でカードを手渡された同じ年くらいの女の子はわずかに頬を赤めていた。
友達に今日の出来事を話すんだろう、仕事がおわったあとに。
"遥くんって、結構常連さんなんだけど
昨日の払い方はすごいかっこよかったの!"
てな具合で。