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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第3章 寂しがりやの法則


「お~助かった。ありがとう。」

朝早くだというのに、空港前には沢山の車が停まっている。なんだかんだいっても景気が良いのか。


「いいえ。」

「タバコちょうだい。」


「年に二本やから、もう吸えないやん」

軽く笑いながら、私のショート・ピースを一本あげる。


「向こう行ったら吸えないしな。
向こうのパパラッチは激しい、本当に。」

「それは聞いた事ある。」

有名人が、非常識なパパラッチと喧嘩して裁判を起こされてるのなんて、海外では普通だ。


「思う存分、ごゆっくりどうぞ。」
「言われなくてもな。」

この短期間で、私は今の様に何度憎まれ口を叩かれただろうか。これなら、鬱陶しいけどまだ可愛らしい蓮の方がマシだ、百パーセント。


かっこよくタバコを吸う彼の左薬指にはシンプルなリング。全然気が付かなかった。この人と付き合うなんてー・・女性は、さぞ器が大きいのだろう。

「そういえばさ。」

「ん?」


「さっき言ってた"人間は誰しも弱いモノを見下す"って言葉ー・・なにか確信があるの?」

「いや。だけどー・・さみしがりやほど、人をイジメたりする。これは経験上当たってるなと思った。」


「・・なんで?・・」


「何をしてでも、一人になりたくない。
どんな形でも輪に入りたい。

どんな風に思われててもー・・表面上は友達に囲まれていたい。

そんな奴ほど、時には手段を選ばない行動をするもんだよ」


まるですべてを見透かしているかの様な事を言われた。



弱いモノ・・とも、どこか共通する理論だとおもう。

強いモノは、強さを表したいから
外道な方法を用いてでもー・・ということだろうか?


それなら、芸能界もスポーツの世界も

私たち一般人の世界もなんだかわりない。


ただの人間の落ち目だ。
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