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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第4章 類は友を呼ぶ
もう一度、会場に電気が灯された時、シャキーラに声をかけられる。一応気を使ってくれてるのか、音量は少し小さめだ。マセラにしか私達の会話は聞こえていないだろう。
「ねぇ、小百合。彼日本人でしょ?
もしかしてー・・知り合いじゃないの?」
「どうして?」
「あなたと四年間、ほぼ毎日一緒にいたのよ?いくら私が根っからのスペイン人でも、友達の変化くらいわかるわ。」
「はは!本当敵わないわねー・・。知り合いよ。できれば会いたくなかった知り合い。」
「本当かい?それならー・・申し訳ない。」
「え?なんでマセラが謝るの。謝らないで。別に恋愛感情とかお互いないの。ただ、私が彼と性格が合わないだけなのよ。だから、会いたくないっていうかー・・まぁ、無理して会いたくない?みたいな?・・んーうまく言えない!」
と明るくおどけると、私達の雰囲気は良い方向に変わった。確かに付き合ってもいないし、何でもない。
正確には、セックスもしていないし。
ふと、ハンソンに目を向けると、すごくグラマーな美人に声をかけられていた。私より6つ位年上だろうか?大人の色気と黒人独特のセクシーさが混じりあっている。女の私でも抱いてみたいと思う程だ。
まぁそれにしてもー・・私達が三人で喋っていたあの短時間に声をかけられるとは・・。彼も中々モテるんだろう。
「ねぇ、ハンソン。ワインのみたいわ。」
「一緒に取りにいくかい?」
「えぇ。ついてきてもらえる?」
「勿論さ、"ハニー。"」
軽くセクシー女性に微笑みかけてから、私とハンソンは腕を組み、席を離れた。
「助かったよ・・」
「これが私の仕事だからね、今は」
「本当にありがとう。」
「女が嫌いなの?」
「嫌いじゃないよ。でもー・・ほとんどが僕のお金や地位を目当てにしている事に気が付いてくるんだよ。若くないからさ」
「いくつなの?」
「25だよ。」
「充分若いでしょ・・」
私は、ワインではなく、お冷やを貰った。
「そういう君は何歳?」
「21。」
「年下なんだね?!なんか変な感じだよ、僕より落ち着いているから」
「ありがとう。」
テーブルまでの帰路、たくさんの人に声をかけられる。