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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第4章 類は友を呼ぶ
「ハンソン!
ーーー・・っ?!え?
はぁ?お前何してんの?」
ふと、気がゆるんだのか、途中から日本語に変わる。
「 im a hansom's girlfriend.
So nice to meet you Mr.Hikaru. 」
何も言わないでくれ、と訴えかける様な目付きと共に白々しく英語で挨拶をする。変な事は言ってほしくない、必要以上にこの場に居る誰かに私と光が知り合いだという事をバラしたくないのとー・・
最後まで、優秀なハンソンの彼女でありたい。
この思いが私の心の中にあった。確かに無茶なお願いだったけど、私は途中までしたら最後までやりとげる。それがゲームであれ、彼女の振りをする事であれ・・。
明らさまにため息をつかれる。
ったく、この子は。精一杯、遠回しに私に嫌味を突き付けてくる。
「光、おめでとう。でも、今年は僕だろうね。」
「最優秀賞?」
「ああ。チームの優勝も二年連続で頂くよ。」
「最優秀賞はあげるよ。
だけどチームの優勝はー・・絶対にあげられない」
カクテルの様なドリンクを飲みながら、そういう光。そして、それを聞いて笑っているハンソン。
だけど目は笑っていない。
はじめにハンソンが言っていたあの言葉
"表向きだけでも仲良く"ー・・なんとなくわかった。
別にこの二人は仲が悪いわけでもないだろう。
お互いが名前を呼ぶ瞬間を見た限りー・・。
でも両方、プロフェッショナルだ。
ワールドカップの優勝や
リーグの優勝のために、練習を積み重ねている。
どっちも譲れないと強く思っているのが
第三者の私にまで伝わってきた。
これがスポーツの熱さ、だろう。
「てか、ハンソン。彼女とどこで知り合ったの?」
「この前、試合で日本に行った時だよ。
彼女はレストランのウェイトレスをしているんだ。」
やめてくれ、ハンソンー・・。
私の仕事の事を何も知らない柳沢でも私がウェイトレスとして働いていない事はわかるだろう。
「へぇ、何屋?」
「和食だよ。しゃぶしゃぶを食べたんだ。」
「そうなんだ、俺も行こうかな~」
ニヤリと含み笑みを浮かべながらそんな事を言ってきた。なんて性格の悪い人なんだ、柳沢光っていう、この最強の男はー・・。