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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第2章 蓮野に降る雪
眼を瞠ったサヨンを見て、トンジュが珍しく慌てたように言った。
「余計なことを言うなよ。本当に、おばさんは昔からお喋りだな。俺の口が悪いのがガキの時分から変わらないのと大差ないぜ」
「それで、どうするのさ」
どうやら、女将は切り替えの速い質らしい。いや、生き馬の目を抜くこのような世界では、終わった話よりもこれから先の身の処し方を考える方が理にかなっているのだろう。さもなければ、厳しいこの世では、すぐに荒波に揉まれて沈んでしまう。
「余計なことを言うなよ。本当に、おばさんは昔からお喋りだな。俺の口が悪いのがガキの時分から変わらないのと大差ないぜ」
「それで、どうするのさ」
どうやら、女将は切り替えの速い質らしい。いや、生き馬の目を抜くこのような世界では、終わった話よりもこれから先の身の処し方を考える方が理にかなっているのだろう。さもなければ、厳しいこの世では、すぐに荒波に揉まれて沈んでしまう。