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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第2章 蓮野に降る雪
女将がサヨンのチョゴリの紐を整えてくれた。
「あんたが今、着ているのは、うちの娘のお古さ。あたしの娘たって、もう数年も前になくなっちまったけどね。さっきも言っただろ、娘は男に棄てられたんだよ。金持ちの極道息子がぽっと出の田舎娘に甘い台詞を流し込んで、さんざん弄んだ挙げ句、娘が身ごもったって判ったら、さっさと棄てちまいやがった」
女将のたった一人の娘は、心から愛した男に騙されと知り、自ら川に飛び込んで亡くなった。当時、わずか十六歳だったという。
「あんたが今、着ているのは、うちの娘のお古さ。あたしの娘たって、もう数年も前になくなっちまったけどね。さっきも言っただろ、娘は男に棄てられたんだよ。金持ちの極道息子がぽっと出の田舎娘に甘い台詞を流し込んで、さんざん弄んだ挙げ句、娘が身ごもったって判ったら、さっさと棄てちまいやがった」
女将のたった一人の娘は、心から愛した男に騙されと知り、自ら川に飛び込んで亡くなった。当時、わずか十六歳だったという。