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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第2章 蓮野に降る雪

実際のところ、子どもの頃からの知り合いというだけで、屋敷内でも滅多と顔を合わせる機会はなかった。下男が軽々しくお嬢さまに声をかけられるものではないし、逆にサヨンからトンジュに近づくことも躊躇われる立場であったのだ。
サヨンが彼を〝知っている〟と思っていたのは、あくまでもその程度のものだったし、また、お付きの侍女ミヨンからの受け売り話を鵜呑みにして、いつしかそのまま自分がトンジュという男について何もかも知っているような気になっていたのだ。
サヨンが彼を〝知っている〟と思っていたのは、あくまでもその程度のものだったし、また、お付きの侍女ミヨンからの受け売り話を鵜呑みにして、いつしかそのまま自分がトンジュという男について何もかも知っているような気になっていたのだ。

