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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第2章 蓮野に降る雪
言葉はけして優しいものではなかった。むしろ、サヨンに病気になられると、足手まといになる―と指摘されているようにも取れる。
しかし、サヨンはその言葉の裏にある彼の優しさを的確に感じ取れた。だから、素直に彼の勧めに従うことにしたのだった。
サヨンは毛織りの胴着を粗末なチマチョゴリの上に着てから、更に頭から外套をすっぽりと被った。むろん温かさは倍増したけれど、やはり、何も防寒具を身につけていないトンジュが気がかりだ。