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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第2章 蓮野に降る雪
「―判らないわ」
 こんな卑劣な男と口をきくつもりなどなかったのに、口が自然に動いていた。
「判らない?」
 トンジュもサヨンの反応は意外だったらしい。
「何故? 俺と逃げたことを後悔しているのでは?」
 短い沈黙の後、サヨンは小さく首を振った。
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