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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村
トンジュは束の間、さっと端正な顔を翳らせたものの、すんなりと解放してくれた。
「サヨンさまは、そんなに俺が嫌いですか?」
「そういうわけではないの。あ、だからといって、好きというわけでもないのよ」
慌てて言うのに、トンジュが苦笑した。
「声を大にして言わなくて良いですよ」
「ごめんなさい」
サヨンは謝ると、小首を傾げた。
「今までトンジュをそんな風に見たことがなかったし」
「つまり、俺は男の中には入らないと?」