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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村
「サヨンさま、それは―今の言葉は、俺と一緒に村を作って、ここで生きてゆくということなのですか?」
トンジュの眼に明るい希望の光が灯る。
サヨンは弱々しい微笑みを浮かべた。
「誤解しないでね。確かに私はここであなたが新しい村を築くのを見届けたいし、必要であれば力にもなりたいと思っている。でも、それは、あなたと一緒に生きていくという意味ではないの。同じ志を持って協力し合って生きていくのと男女の恋愛は違うでしょう」
「そう、ですか」