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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村
「ええ、言いましたとも。あなた、自分で言っておきながら、憶えてないの? 都にいるときに、色町の妓房へ上がって、妓生から直接教わったとか何とか。見世の名前は、そうね、確か―」
 いつも冷静で落ち着き払っているトンジュらしくもなく、慌てている。サヨンは内心、ほくそ笑んだ。
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