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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村
「ね、もう降ろして」
 消え入りそうな声で頼むと、サヨンの身体は静かに降ろされた。
「洗い物はやっぱり、私がしておくから。町までは遠いわ。早く出た方が良いと思う」
 トンジュの方を見ないで、もぞもぞと口の中で呟く。
「そんなに俺を早く追い出して、一人になりたいですか?」
 トンジュが眉をつり上げた。 
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